カタマラン艇「若水」で温めていたロングクルージングを実行

出港前の決断

大西洋横断・・出港5日前の決断

2007年11月20日・・出港は5日後に迫っていました。

ラスパルマス港に停泊

出港直前になって

私を含め、日本人4名だったメンバーの中に
ベルギー人とオーストラリア人のクルーを加え6名でARCに臨むことを、決断しました。

我ながら面白い決断をしたものです。

若者たちとの出会い

現地で、色々、船のメンテナンスをしていると、いろんな若い青年達が
クルーで船に乗せてくれませんか?」と訪ねて来るんです。

「ヨット経験あるの?」・・と尋ねると
「ある」と言ったり「ない」と言ったりいろいろだったんですけれども
自分の経歴書を持ってやってくる連中がいっぱいいるわけですよ。

これだけのヨット経験があるけど、もったいないなあ」
というケースがいっぱい出てきました。

若水でヨット経験が長いのはオーナーの私だけ。で・・寝る場所はまだあるし・・・

もし「面白いのが来たら、捕まえてみるのも面白いかも」と思うようになっていたんです。

ベルギーの若者

先週、ベルギー人で、今、イタリアでヨット漬けの生活をしている青年が訪ねてきましてね
経歴書を見せてもらったら、本当に素晴らしいヨット経歴の持ち主なんですよ。

  • カリブ海往復も何度も経験しているし
  • レーシングボートにも乗ってるし
  • クルージングボートにも乗ってるし。

将来、彼はプロのヨット乗りを目指しているんですよね。プロの船長、キャプテンを。

で、今回

  • 「航海中はセキスタント(天測航法)を使いたい」
    「お天道様を毎日測って位置を確かめながら行きたい」っていう希望を彼は持っていました。

で、面接していろいろ話しているうちに、これは経歴が良すぎてうちには来ないだろう、と思ったわけ。

言葉はなかなか通じないし、可能性は低いかな、と・・。
で、彼が、

「いつまでに返事すればいいですか?」って聞くから、
「月曜日までに返事しろ」
って、言っといたんですよ、先週の金曜日に。

もう一人の候補

そしたら、もう一人、36歳のオーストラリア人がね、36にしてはちょっと年がいって見える
毛の薄いがっぷりしたのが来てね。

いろいろ話してるうちに経歴書見せてもらったら、彼もまたいいんです。
オーストラリアでたっぷり乗ってるんですよ、船に。

「で、なんでうちに応募してきたのよ?」って聞いたら。
「ARCでカリブを渡ってみたかったんだよお」って。

「で、カリブ渡った後どうしたいの?」って聞くと、
「いやあ、できたらパナマ抜けて南太平洋に行く船に乗りたいんですよ」
と言うわけですよ。

「僕ら英語苦手だし、コミュニケーションとるの大変だぞお」
って言ったら・・真面目な顔してニコニコしながらですね、

「私は日本語ができません」
「でも、一生懸命、日本語を勉強します」
「分からない言葉はボディランゲージでコミュニケートしますから、大丈夫」

と、こう言うのよ。
あっかるいのよ。ふざけた明るさじゃなくってね。
こいつもいいなあ、と思ったわけですよ・・で、

「実はもう一人検討中の人間がいるから、火曜日に来てくれ」

って言ったらば、翌日からちょこちょこ顔出して、

「具合いはどうですか」
なんて、おべんちゃらみたいなことを言って帰っていくわけですよ。そうしたら、うちの連中も

「あいつ明るいねえ。いいじゃん」
なんて話になってるうちに、ちょっと考えたわけです。

どちらか、いや、どちらも…

あの26歳は、英語しか話せないし、もう一人は「おはよう」とか「こんにちは」とか
さっそく覚えていいんだけど、やっぱり英語族として孤立する可能性が高いじゃないですか!

船の上で三週間だし、4対1だしね。
だったらば英語族を二人置いてね、いろいろコミュニケートできる様にしてあげたほうが「何かとストレスがたまらないだろう」って思ったんです。

一人追加するのも二人追加するのもそんな変わらんだろう、っと。

二人入れる可能性があることを、その若い26歳に話すと

「6人は多いんじゃないんですか? 自分一人でいいんじゃないですか。でも最後に決めるのはオーナーであるあなたですから」

と、話をしているうちに、彼は私に下駄を預けてくれたのでした。


さて、決断のとき…

そして、前日からじっと考えたあげく
今朝、ベルギー人の若者に会ったときに、こう宣言したのでした。

は決心した。決めた。もう一人、オーストラリア人を入れるぞ」
「それは、あなたにとってもプラスになる」

「俺らとうまくコミュニケーションがとれないときに、もう一人の英語でコミュニケートできるのと話をすれば」

「彼はオーストラリア出身だけど、両親の母国がフランスだから、フランス語はネイティブで話せる」

「そしてあなたはベルギーだから、フランスの隣りでフランス語はほとんどネイティブのように話せるんだろ」

「だから、英語でもフランス語でもコミュニケートできるだろ。とても明るくてナイスガイだから、とにかく会ってみろ。仲良くなれ」

と、言ったら彼は「分かりました」と納得してくれ、クルーとして加わることになったんです。

  • 26歳のベルギー人:名前はハロルド
  • オーストラリア人は:レイナルド。

発音が近くて紛らわしいんだけど、6人のメンバーで旅立つことにしたのでした。

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