ラスパルマス
ラスパルマス・・大西洋横断ラリー出港の地
当地は大西洋横断の中継基地として、ヨーロッパでは知らない人は無い、有名な港です。
毎日毎日、次から次に
小さいヨット、大きいヨット、色々なヨットが入って来ては、出て行きます。
本当に驚くほど頻繁にヨットが出入りしています。
入って来たら三日から一週間はいますが、ホントに翼を休めてすぐに出てくんですねえ!
その数、何って言ったらいいんだろう?・・年間千隻?
では、きかないんじゃないか!と思います。
カナリア諸島には、ここラスパルマスだけじゃなく
- 他にも色んな島があって、必ずヨットハーバーがあるんです。
セーリング文化の成熟度においては
日本はもう及ぶところは無い、どころか比較にならない事に、ただただ驚いています。
今だってそう!目の前をでっかい船が大きなマスト2本立てて、入ってきてるんですよ。
- 100フィート位あるんじゃないかなあ?
半端じゃないのが、どんどん入って来ています。
2007年10月に現地入り

ARCに向けて
続々と集結し始めたのが
10月の半ばからです。
11月25日出発なのに
一か月以上前から
続々と港に入ってきています。
大西洋横断するのに244艇もの大船団です。
沖縄→東京までのレースで・・「今年は多かったねえ」って時で「20隻」とかですよ。
・・過去、それも、日本がまだ元気が良かった頃の話でね・・
- 沖縄→東京間で800マイル。
- ラスパルマス→セントルシアって2700マイル。
- 1マイル(=1海里)は1.852キロだから丁度5,000キロ。
沖縄~青森までだって、2,500キロちょっとしかないんだから・・・ARCはその倍の距離。
ラスパルマスからセントルシアまでの5,000㌔を、約三週間で走ります。
チェックイン・・2007年11月12日
11月12日、月曜日。ARC本部が現地にオープンしました。
さっそく、我々もチェックイン。そしてスケジュール表をもらいました。
参加する人たちは、みんなチェックインする、ホテルみたいにチェックインって言うんですよ。
さっそくね、その日の夜は・・
ARCのバーのオープンでウェルカムパーティが開かれました。
既に現地に入っている船のオーナーやクルー、約200人くらいでパーティがありました。
お酒のみだった(つまみが無かった)ものだから、全員ノックダウンで終了しました(苦笑)
敬意と驚き
2007年11月13日、火曜日。安全備品の検査が午前中ありました。
これは、旧NRC(日本外洋帆走協会)時代を知る者としては、目を見張るべき出来事でした。
厳格な姿勢に、驚きと尊敬の念!
ここまで厳格に色々なチェックをするARCの、安全に対する姿勢というものに対して
私は非常な驚きと尊敬を念を持ちました。
・・もう日本なんか適当で・・たとえば・・
色々なトイレの穴だとか、水道の水の排水の穴だとか、エンジンの穴だとかありますよね。
もしそこから浸水したら、木栓(もくせん)を叩き込む。とか言う事になってるわけですよ。
「はい、木栓、ひとつありますかあ?」
「はい、あります」
って、それで済むわけ。日本ならね。
・・でもここのチェックでは・・
「この木栓はどこの場所のモノですか?」って
「全部の穴ぼこ」に対して、クラッシュした場合に備え
全ての木栓を用意しなくちゃならない。一対一で揃えなきゃいけないんです。
数え上げればきりがないほど、細かい事が色々あって・・本当に脱帽です。
チェックリスト
チェックリストもたくさんあって・・日本じゃ必要ないんだけど・・こっちは必要という
我々に出された宿題事項としては
- 各人、各クルーのライフジャケットへの自己点火灯
- 木栓は、各排水口に、ロープで結ぶこと
- 予備航海灯の用意
- 非常持ち出しの準備
リストの4つめ・・「非常持ち出し」について補足しておこうかな。
船が傾いたり沈没しそうになった時に、ライフラフト、救命イカダに乗り移りますよね。
そのときに必要になるのが「非常持ち出し」
火事の時に「パスポート」や「貯金通用」や「財布」を持って飛び出すじゃないですか!
そう、その非常時に持ち出しするもの。非常時にきちんと備えておけということなんですねえ。
- その中には釣り糸だとか、サバイバルキットを必ず
入れなきゃいけないわけですよ。
それも防水袋に入れてね。
- その防水袋もちゃんと防水してるのか?・・そこまで視るの!ってくらい
ARCのセーフティチェックでは細部まで視るんです。
- また、そのリストも準備しておかないといけない。
海の怖さや畏れ(おそれ)に、真摯(しんし)に向き合う
ARCというのはレースではなくって・・みんなで楽しく・・
夏の終わった季節にラスパルマスの秋やカリブ海に行ってお正月を楽しむんだと
お祭りベースでとらえていたわけですよ。
だけど、そのお祭りを安全に達成するには
- 家族づれや老人夫婦でも・・大西洋を横断出来る為の
「装備や設備」などを、きちんと用意して
海の怖さ・・畏れと言うモノに真摯に向き合う・・っていう事を覚えさせられました。
「勉強になりました!」
ARC・大西洋横断ラリーへ準備する日々
昼はセミナーでお勉強、夜はパーティで情報収集とコミュニケーション、忙しいんですよ。
このブログをなかなか更新できないわけ、分かってほしいなあ(笑)。
昼はセミナー
昼間はですね、二週間に渡ってセミナーを受けました。
毎日いろんなセミナーがあって、忙しいんです。
たとえば
- リギンチェックのためのセミナーとか
- 電気設備点検のためのセミナー
- エンジンおよび発電機保守のためのセミナー
- 大西洋を渡るためのルートコースと天気予報のセミナー
- 太平洋におけるクジラの種類と発見のためのセミナーなどなど目白押し。
で、このレクチャーは全て「英語」です・・もう、頭がギシギシ・・大変なのよ(笑)
夜はパーティ
夜は必ずと言っていいほど、どこかでパーティがあるんです。
たとえば
- オーナーとスキッパーのためのパーティ
- 当地のマリンショップ主催のウェルカムパーティ
そこでは
- ワイン・ビール・カクテルやレストランの仕出しの食事が無料で提供されたり
- 生バンドが入ってディスコティックになったり
それからですねえ、あとは
- ここ、ラスパルマス市主催のウェブカムパーティなど連日連夜続くんです。

2007年11月。Lagoon社主催の参加オーナー・クルーパーティー。
ヨットの大きさと種類
どんな連中が参加しているかってことですが、今回、参加艇のリストを見てみると
- だいたい最小のサイズで35フィート(10メートル)位ですね。
- 全体的には半数以上が「若水」クラスの50フィートを超えるヨット。
全体的に大型化してますが、60フィート、70フィートになると、かなり目立ちます。
たまに100フィート弱の艇も目に入りますが、もう化けもんです。
船の中身ですけど
主催の趣旨からして、レーシングボートじゃ無くクルージングボート・軽〜い旅支度という感じのヨットが大部分。
乗り手の構成と旅程
乗り手の構成としては、まちまちです。
- 老年壮年混合チームが多いんだけども、かつてのヨット仲間が集まったというグループ
- また、60フィート以上の大型艇には必ず専任クルーがいます。
動きですぐに分かるんですよ。「ああ、プロの動きだな」ってね。
それで生活してるわけですからね、プロは、やはり本格的ですよ。
たとえば
現地で一番親しくなった「カタマラン58フィート」キャプテン、ジュエルも専任キャプテンで
- 年間を通じて、艇の面倒をみており
- 11月21日にはオーナーを含め4人が参加
- ゴールした後は、カリブ海で夏のクリスマス、新年を楽しんで、しばらくそのままカリブ海に留まる。
で、オーナーたちはヨーロッパに帰る。というような予定だそうです。
大多数のチームは
新年から春までカリブ海に留まって、4月か5月に地中海やヨーロッパに戻るんです。
5月にはヨーロッパもいい気候になりますからね。
少数派ですが
パナマ海峡を通過して南太平洋に抜けるチーム艇もあります。
・・僕らはその少数派です。
お2人の先輩と若水のメンバー
「DARMA(ダーマ)」目黒たみを氏(菅原の右隣)左隣が「EMU2」米子昭男氏
お二人供シングルハンド世界一周中。
ラスパスマスで日本艇3艇が集結し、大いに盛り上がったのでした。

若水の装備とメンバー
装備
我々の船は、カタマラン(双胴)艇・・「ラグーン470」。
旅支度の内容としては
- ソーラーパネル: 130アンペア×5枚
- 総バッテリー量: 1200アンペア
- 発電機: 4キロワット
- 造水器:130リットル/時
- GPSプロッタ、Cマップ、電子チャート、イリジウム電話
- 気象予報ロング航海者の「お助け紳士」馬場さんに依頼
チーム「若水」のメンバー
オーナーの私を含め4名。
伊芸丹来(29歳)
元琉球海運甲板員
特にヨットに乗りたかったわけじゃないんだけど、世界を旅することに惹かれ、今や立派なヨット乗りに成長しつつあります。
寺沢真一(31歳)
十代より独立独歩の生活をしており、ダイビングが大好きで、大西洋の島々をダイブしながらセイリングしたこともあるようです。
上野信治(25歳)
昨年、大学卒業し就職するも、若水オーナー家族と親しく、若水の旅を聞き、矢も楯もたまらず、参加を決意し退職しました。ヨット初心者ながら、やる気は満々です。